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2006年1月12日 (木)

風俗・・ひとみ伝説 告白

常連として、そして恋をした一人の男として、ひとみちゃんに会い続ける日々を過ごす中で、その心境は徐々に変化を遂げていきました。ただの常連としてではなく、その真実の姿をすべて知りたい、そして受け止めたい・・・この気持ちはやはり抑え切れませんでした。

彼女が店を替えてから、実はその店に2度ほど足を運びました。しかし、この時点ですでに中途半端な気持ちでは会えない、会いたくない、そんなちょっとしたひっかかりがあったのです。そこで、予約なしで店に飛び込んで、出てきたパネルにひとみちゃんがあれば・・・そんな馬鹿げたギャンブルに出たのです。結果は2度とも出てきませんでした。ただ店の雰囲気は前のお店よりはレベルの高いもので、こういうお店で働けるのならいいのかな、等という気はしていました。

馬鹿げたギャンブルでは何も進まないと、ある日意を決してお店に予約の電話をいれました。すると、ひとみちゃんはいるものの、すでに予約が埋まっていて入れないとの事。ここで何を思ったのか?それなら店に行ってから別の人を指名します、と答えて電話を切りました。電車での移動中に何を思っていたか、記憶が定かではないのですが、ただ、もう会わないほうがいいのかな、会わずに自然消滅した方がいいのかな、そんな事を考えていたと思います。もう福原にいく必要はない、また違う店を開拓しよう、そんな事が脳裏に浮かんでいたような気がします。

店に着いて受付に行くと、ひとみちゃんの予約がキャンセルとなり、今なら入れるとの話を聞きました。すでに気の抜けていた私ですが、一瞬で決意を固めました。そして、ひとみちゃんとの時間が始まりました・・・

彼女はいつもどおりの笑顔で出迎えてくれました。そして1枚のカードを渡しながら
「これ、この店の会員証やねん、これを見せたら少しだけど割引がきくから・・」
私は何も言えずにただ受け取りました。今となっては意味のないカードを。

さすがに緊張して、いつものようには出来ませんでした。ポーカーフェイスには自負のあった私ですが、ある一定のラインを超えると見るも無残な姿になりがちなのです。そしてその日はそのラインを大きく超えていたのでしょう、彼女にも「今日、何か変。どうしたの?」といわれたり。

彼女の部屋はかなりレベルの高い部屋でした。こういうお店では部屋自体にランクがあって、人気のある姫にはいい部屋を、そうでない姫にはそれなりの部屋をあてがう事があるのですが、彼女の部屋は広さといい内装といいそれなりのランクのものでした。過去に入ったどの部屋よりも立派に見えました。彼女のこの店での扱われ方が見えた様で安心しました。

そして、終わりの時間が近づいた時、私は自分の思いをぶつけ始めました。本名も何も知らない人ではあるけれど、2人で過ごしていられる時間がこの上なく幸せであったと。でも、これは常連としては失格のような気がする。私はひとみちゃんというプロの仕事に酔っているのではなく、一人の女性として恋をしてしまった。だから、あなたのすべてが欲しい。もちろん、これがかなうとは思っていない。でも、本気だからこそ、中途半端にだけはしたくない。会えば、自分の気持ちを抑えきれなくなる、だから・・・これを最後にしたい。

彼女はとまどっていました。そして「なぜ、深入りしたがるの?なにが中途半端なの?時々でもいい、会って楽しい時間が過ごせるのならそれでいいじゃないの。」確かそんな風な事を言っていました。彼女にとってはやはり私は仲のいい常連の一人でした。ただ彼女も私といる時間を楽しんでいてくれていたのです。それは私にとってはわずかな喜びとなりました。しかし・・・

部屋を出て、廊下を歩き、待合室の入り口で別れる際に、「また会えるよね!電話するからね!!」と怒鳴っていました。他に待っている客がいたのですが、彼女はそんな事を気にする様子はありませんでした。私は精一杯の微笑を彼女に向けることしか出来ませんでした。

そして家に帰り、後輩にメールを書き始めました。当時いろんな悩みをメールで相手してもらっていた後輩で、ひとみちゃんの事についてもいろいろメールでぶちまけていました。早速今日の出来事を書いてみようとしたのですが、うまく言葉が浮かびません。ふいに最後に彼女が怒鳴っていた場面が頭に浮かびました。もう会えなくなった、でも本気で好きになった彼女の姿が。その瞬間、涙があふれてきました。失恋なんてこれまで飽きるほどして来た私ですが、いつも1日寝たら忘れてしまっていたのに・・・あれだけ泣いたのは久しぶりでした。

こうして、名も知らぬ女性への恋は終了しました。

しかし、実はこの続きがあるのです。

しばらくして、ある日私の携帯がなりました。ひとみちゃんからでした。彼女も相当迷ったらしいのですが、電話をしてきてくれたのです。この瞬間、私の中でまた心境の変化がありました。彼女は私の事を常連としてみてくれている、それでいいじゃないか、と。なぜ急に気持ちを入れ替えることが出来たのか、自分でも不思議でした。もしかしたら、あの晩の涙がすべてを洗い流してくれたのかもしれません。

そして、一人の常連として、ひとみちゃんとの付き合いはその後も続きました。1時期のように集中的に何度も行くという様な事はなくなり、数ヶ月に一回といったペースではありましたが、一人の常連として彼女との時間を楽しめるようになりました。恋愛感情は完全に消え去っていたので、素朴に慣れ親しんだ姫とのきさくな時間をただ楽しむことが出来ました。

ある日、1通のメールが私の元に届きました。

「ご無沙汰してます。実はこの度業界を引退することになりました。」

詳しい話はわかりません。常連として会ってはいましたが、あくまで店の中でしか会わないと自分に言い聞かせ、またお互いにプライベートにはなるべく触れないようにしてきたので、出会いから何年もたったその当時ですら名前も知らなかったのです。どういう事情であったのかはいまでも謎のままです。でも、これはいい事だと、ようやく別の道でやっていく目処がたったのだろうと。決して楽ではない風俗業界を離れることが出来たんだと。私は言葉は簡単ながらお祝いのメールを送りました。もう会えなくなる事は残念でしたが、それよりもただ、彼女がよりいい方向に向かっていってくれたなら、それでいいんだと。1度は本気で好きになった人。その人の幸せを願う気持ちは、誰しも同じでしょう。だから、本当にうれしかったんです。

同じ人を指名しない、このポリシーをあっさりと破り去らせてくれて、そして本気で恋をして、その後も常連として甘い時間を過ごさせてくれたひとみという1人の姫。彼女は今どこで何をしているのでしょうか・・・ただ私の人生の1ページを彩る、そういう存在であることは確かです。

その後も風俗へは通い続けました。しかし、同じ人を指名する機会もいくらか増えてきました。そして、それはそれで楽しいものだと気づきました。なんせある程度見知った間柄ですから、初めての時の探りあいが必要なく、気楽な時間を過ごすことが出来ると。そうしてみると、何もおおげさに考えなくても、そう簡単に恋愛感情などわかないことにも気づきました。常連として楽しむというのも結構悪くないものだと感じるようになってきました。

ひとみちゃんは特別な存在なんだと思っていました。いやそれは真実です。しかし、その後にまた大きな出会いが待っていたのです、風俗という世界は、まだまだ私にいろいろなものを見せてくれることになるのです。

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